当社が2021年より新たな取り組みとして準備を進めてきたヘルスケア事業について、本格的な活動を開始することになりましたのでお知らせいたします。
1. 新たな事業の趣旨
当社は、2021年5月にEPS Creative Health Technology Group Ltd(EPS創健科技集團有限公司)に社名を改めました。これまではグローバル・アパレルメーカーに対して(アパレルの)サプライチェーン・マネジメント・サービスを提供してきましたが、新たな社名にこめた「人々の健康を創造する」ことを事業の主軸とし、人の生活に密接する衣料から人の心・体を治す医療まで幅広く事業を手掛けることとしました。
当社は、有望ながら資金面等の課題を持つ日本のシーズに注目し、これらの商業化のために成長著しい中国市場、バイオテック産業への投資が盛んな香港株式市場を活かすことで出来ると判断しました。当社では従来の製薬産業のビジネスモデルにとらわれず様々な形でシーズの商業化に貢献する「日中をつなぐヘルスケア専門商社」になり、多くのステークホルダーと連携するこれまでにない全く新しい「創薬のプラットフォーム」を創出します。
2. 新たな事業の概要
従来どおりアパレルのサプライチェーン・マネジメント・サービスをコア事業としますが、創薬を中心としたヘルスケア事業として下記の3事業に着手しています。
(1) 有望なシーズを発掘し、自社製品として研究開発を進める「創薬事業」
(2) シーズの製品化を目指すバイオベンチャー等の企業に対して資金調達や臨床開発といった専門サービスを提供する「創薬推進事業(IRO事業)」
(3) 市場拡大を目論むメーカーに対し中国市場への展開を支援する「ヘルスケアプロダクト事業(以下、HCP事業)」
これらの事業はビジネスモデルがそれぞれ異なること、各事業が他社との連携を容易にするために当社を母体とし、2セグメント4事業で構成されるカンパニー制を導入します。
(1) 創薬事業
創薬事業は当社グループ企業であるEPS創薬株式会社がその中心的な役割担い、主にアカデミアが持つシーズのライセンスを当社グループが譲受し、自社製品として研究開発を行っております。また、リサーチセンターを設け、当社オリジナルのシーズを発掘のための独自の研究も行っております。臨床試験の実施にあたっては親会社であり日本最大手のCROであるEPSグループが有するネットワークを活用したKey Opinion Leaderからの支援、臨床試験の実施にあたっては関係会社との提携のなかで開発を進めます。
従来の製薬会社が行うような大規模な投資によりlater phaseのパイプラインを獲得するのではなく、臨床試験による創薬シーズのバリューアップさせることを重視しており、本事業のゴールは開発の後期フェーズでのライセンスアウトや、日本および中国での承認取得を想定しています。
中期計画(2022年4月~2025年3月)の目標は、日本のアカデミアから得た3つのパイプラインの開発フェーズを進め、製品の価値を高めつつ製薬会社への導出や自社での製造販売といった戦略を策定します。
(2) 創薬推進事業(IRO事業:Innovative Reseach Organization)
創薬推進事業は日本・中国双方の製薬会社、バイオベンチャー等を顧客とし、下記の表のとおりベンチャーキャピタルや従来のCROとも異なり、非臨床試験、臨床試験、承認申請、製造・販売を含む企画・開発・上市戦略等を全般的に支援する事業です。
具体的には下記の事業を行います。
① 日本の製薬会社、ヘルスケア企業の中国進出支援
② 日本のアカデミア、バイオベンチャーの開発支援、シーズの中国へのライセンスアウト支援
③ 中国企業の日本進出支援
④ 日中にまたがる医学交流の支援事業
(3) ヘルスケアプロダクト事業(HCP事業)
HCP事業では、健康食品や化粧品などの人の健やかな生活に貢献する製品全般を取り扱い、日本と中国の橋渡しとなる貿易卸売ビジネスを行います。
中国における健康に対する関心は高く、ヘルスケア市場は約10兆元に達していると言われています。当社は、まだ中国にその魅力が認知されていない日本のヘルスケア製品に対しコンサルティングをしながら、中国への販路拡大に協力することを通じて中国の健康増進に対するニーズを満たすことを目指しています。当社はグレーターベイエリア(粤港澳大湾区)の貿易拠点となる香港で20年以上にわたりビジネスを行ってきた経験を活かし事業を展開していきます。
以上